会場・オンライン併催

11/19(水)『 法隆寺宮大工 西岡常一棟梁から学んだこと 』

鵤工舎 舎主 元法隆寺・薬師寺 宮大工 棟梁 小川 三夫

  •  この2025年度 後期「イノベーション・フォーラム」の第3回例会は、(株)鵤(いかるが)工舎 舎主/元法隆寺・法輪寺・薬師寺 宮大工棟梁 小川三夫氏をお囲みして、「法隆寺宮大工 西岡常一棟梁から学んだこと」をテーマにご講演願い、「ヤリガンナ」の試技を併せてご披瀝いただく予定です。

     氏は、不世出、最後の宮大工棟梁と言われた 法隆寺宮大工棟梁 故 西岡常一氏の唯一の内弟子だった方です。

    小川三夫 氏

     氏が西岡常一棟梁のもとに弟子入りしたのは1968年、21歳の時。高校の修学旅行で法隆寺の五重塔を見て、こんな塔を造ってみたいと思ったのがきっかけだったといいます。

     高校を卒業し、宮大工を志して直ちに法隆寺を訪ねて出会ったのが西岡常一棟梁。直ちに大工志望を懇願したが、18歳では年齢的に遅すぎるし、第一今法隆寺に仕事がない、と最初は歯牙にも掛けてもらえなかったといいます。それで仏壇づくりや神社改修などに携わって機会を窺っていたところ、4年くらい経ったある日、西岡棟梁から「これから法輪寺 三重塔の建築が始るので、おまえ一人くらいなら来てもよい」と手紙が届き、欣喜雀躍して西岡棟梁を訪ねたといいます。

     そこで道具箱を見せろと言われて差し出すと、棟梁は手にとったノミをポイッと投げ捨てる。

     こんなもんは使いものにならん、という意思表示です。これから約1年間、TV、ラジオ、新聞、本...そういうものに一切目をくれたこともない。刃物研ぎ一筋。仕事から帰えると、毎日納屋に上って刃物研ぎの練習。

     こうして実際に檜を削り、組み立て仕事をしながら飛鳥の工人の技や知恵を学んできたことは、それまで学校で学んできたこととは全く違う世界のものだったといいます。大工の仕事は手仕事。頭だけでは堂塔は建たない。学校での勉強は抽象的思考訓練でしかなかった、と振り返ります。

     西岡棟梁の下で宮大工修行が始った時、これまでとは全く違った世界で、全て一から学び直さなければならなかった、といいます。

     西岡棟梁から学んだ「木の命を生かし、木の心を知る」を基本に、それが少しでも生かされればと思って日々過ごしておられると伺っています。

     また、嘗て西岡常一棟梁ご本人から直接伺ったことですが、殆ど知られていないことですが、1973年~7年、東大寺大仏殿の昭和の大修理の際、当時13万枚あった屋根瓦を約11万枚にして葺き替える大工事がありましたが、本職の瓦職人がどうしても最後まで仕上げられず、苦労していたのを、西岡常一棟梁の 「お前ちょっと手伝っとこい」 の一声の下、大仏殿大屋根瓦葺替えの総指揮を執り、見事に収めたのが当時の小川三夫 法隆寺 副棟梁だった、ということです。 

     この西岡棟梁から嘗て聞かされ、今も耳に残っている言葉に、「小川というのは偉いお人でっせえ。皆寝静まっているのに聞こえてくる音を辿ってみると、小川が一人、鉋を研いでおりますのや…」 という言葉があります。西岡棟梁の小川三夫氏への心からの信頼に触れた思いでした。

     なお鵤工舎(いかるがこうしゃ)は、故西岡常一棟梁が1977年(昭和52年)、文化財保存技術者認定の許、小川三夫氏が奈良県斑鳩の里に発足させた、寺社建築技法の伝承を基とする特殊工舎です。現在の本社は栃木県塩谷郡塩谷町にあります。

     当初、小川三夫氏の斑鳩工舎設立・独立に当り、西岡常一氏は小川三夫氏を法隆寺宮大工棟梁の後継者として考えており、是非その意思を継いでほしいと説得したのですが、氏の決意は固く、自分は西岡常一棟梁から受け継いだ匠の心と技を是非後世に引き継ぎたい。法隆寺宮大工の地位は身に余るが、それでは工事件数も限られ、西岡常一棟梁から受け継いだ心技を後世に残せない。と断腸の思いで師の申し出を固辞し、今日に踏み切ったのだと伺っています。

     なお今回、小川三夫棟梁のヤリガンナ捌きの一端を直接拝垣間見させていただくご承諾をいただくことが出来ました。

     今回の集まりも、必ず感動的な集りになる筈です。皆様の積極的なご参加を心から願ってやみません。(新経営研究会 代表 松尾 隆)

    • 当日のスケジュール

      2025年11月19日(水) 13:30〜17:00
      13:30-13:35
      ご挨拶
      13:35-14:00
      自己紹介
      14:00-15:00
      ご講演(前段)
      15:00-15:15
      休憩
      15:15-16:15
      ご講演(後段)
      16:15-16:55
      Q&A
       

      【今期チェアマン】
       (株)たすきづな 代表
       前富士フイルム(株) 取締役 常務執行役員
       柳原 直人 氏

      参加申込締切

      2025年11月13日(木)

      事務局:田中

    • 講演会場・アクセス

      国際文化会館 西館 4階

      東京都港区六本木5-11-16

      • 都営大江戸線 「麻布十番駅」7番出口より徒歩5分 (上り急勾配あり)
      • 東京メトロ南北線 「麻布十番駅」4番出口より徒歩8分 (上り急勾配あり)
      • 東京メトロ日比谷線「六本木駅」 3番出口より徒歩10分
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