『次世代電気自動車‘ELIICA’の開発、今後の挑戦』 -脱「ひとり勝ち文明論」-
走行デモと試乗の機会をあわせもって
慶応義塾大学新川崎タウンキャンパスに同大学教授清水浩氏をお訪ねし、「次世代電気自動車 ‘E L I I C A’ の開発、今後の挑戦」と題してご講演願い、‘E L I I C A’ の走行デモを拝見させていただくと同時に試乗もさせていただくという、又とない機会をいただくこととなりました。
‘E L I I C A’ はElectric Lithium-Ion Carの略で、インホイールモータ・8輪駆動の次世代電気自動車です。トランスミッションなど動力伝達装置がなく、時速370㎞をクリアーし、ポルシェ911 ターボに100 マイル競争で勝利したのはまだ記憶に新しいところです。‘E L I I C A’ は家庭電源で約5時間で充電完了し、1回の充電で300km走行、コンセプトは100円/100kmです。清水教授のお話では、エネルギー効率でガソリン車の4 倍弱が目標ということで、今、‘E L I I C A’ は車と車産業の将来を革新的に変えると期待されています。
2009年8月、このインホイールモーターとそのプラットフォームの2つの独自技術をコアに、オープンソースで次世代電気自動車の開発とその全世界への普及を目指して設立されたのが‘SIM - Drive’で、社長に清水浩氏、会長にベネッセの福武總一郎氏、デザインディレクターにイタリア人以外で初めてフェラーリのデザインディレクターをつとめた奥山清行氏が就任し、自動車・部品・エレクトロニクス・精密機械関連、それにNTTなど34社が参加して、現在、2013年の量産を目指しての試作を開始しています。
わが国製造業の今後の世界におけるプレゼンス発揚の道が問われている今、清水浩教授を交え、その技術的関連領域の広い次世代電気自動車‘ E L I I C A’を通して、今後の日本の可能性を考え合って参りたいと存じます。
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