開発者本人が語る「明日の技術・製品開発と独自の企業価値創出研究会」
最近のプログラム
2015 プログラム
- 5/19(火)
- 『21世紀の世界の設計図/日本の役割』
- アライアンスフォーラム財団 代表、デフタパートナーズグループ代表 原 丈人 氏
1952年生まれ。慶大卒後、中央アメリカの考古学研究に従事。国連フェローを経て、81年スタンフォード大学工学部大学院修士課程終了。在学中に光ファイバー事業を興して成功。84年、デフタパートナーズを創業し、主にIT分野ベンチャー企業のインキュベートに携わり、マイクロソフトと覇を競ったボーランドなど、十数社の会長、社外取締役としてこれらを成功に導き、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストの一人となった。現在、ダボス会議カウンシルメンバー、米国先端基礎医学研究機関ソーク研究所国際評議会メンバー。国連政府間機関特命全権大使、ザンビア大統領顧問などを歴任し、途上国の発展支援活動にも力を入れている。
- 6/19(金)
- 『“ドローンロボット” における今日の挑戦、今後の日本の可能性』
- 千葉大学 特別教授、(株)自律制御システム研究所 代表取締役 野波 健蔵 氏
- ドローン警視庁モデル
氏は、グーグルやアマゾンも乗り出す「ドローン開発」の日本の第一人者。80年代から自律制御ロボットの研究を開始し、2005年、本格的にドローンの研究に着手。ドローンロボットは今世界的に鎬を削る状況になって来た。「これは“モノづくり”でも、競争の本質はソフトウエア」「日本のエレクトロニクス産業が軒並み総崩れする中、ようやく明るい光をもたらしたのがロボティクス分野。しかし最近、優れた技術を持つ日本企業がどんどん海外企業に買収されていく」。技術競争には自信を持つ氏だが、危機意識も大きい。
- 7/15(水)
- 『“車の常識”を全て根本から見直して出発した スカイアクティブの創出、今日の夢』
- マツダ(株) 常務執行役員 藤原清志 氏
- スカイアクティブ・シリーズ
「世界一の車をつくる。それには全てゼロから出発しないと実現出来ない。エンジン、トランスミッション、シャーシ、これらを全て一新する。私は今までの常識を壊しに来たんだ」。マツダの起死回生の製品シリーズとなり、マツダが一丸となった「スカイアクティブ」の開発は、氏のこの一声から始った。氏は「スカイアクティブ」実現の中心となった統括プロデューサー。この1月、氏は、「今年、ロータリーエンジン搭載のRX-7を発表する」と衝撃的発表を行った。
- 8/20(木)
- 『再生医療の最先端』
- 東京女子医科大学大学院 学長付 特任教授 岡野光夫 氏
- 細胞シート再生医療模式図
今日の医療の最先端に立ち、今世界で最も注目されている日本の再生医療の第一人者。自ら創出した細胞シートによる再生医療とバイオマテリアルの研究に専念。心臓やその他臓器の再生も夢ではなくなってきていると言う。医学と工学を結びつけ、これまで治せなかった患者を救いたい、この一念が今日の細胞シート再生医療を生んだ。日本の医療の世界貢献への扉を開き、これまで米国主導だった医療産業の潮目を変えつつあると言われている。
- 9/17(木)
- 『イプシロンロケット開発に寄せる夢、 今日に至る道程と今後への抱負』
- JAXA 宇宙飛翔工学研究系 教授、イプシロンロケットプロジェクトマネージャ 森田 泰弘 氏
- イプシロンロケット
イプシロンロケットは3段式、世界初の小型固体燃料ロケット。ノートパソコン1台で発射を管制出来る。従来、ロケットの打ち上げは100人位の人々で数時間ほど掛かっていたが、人工知能化を実現、僅か8人、70秒程の作業で済む。「イプシロンロケットのコンセプトは小型・高性能・低コスト。これで頻繁に衛星を打ち上げられるようにすることが、今後の宇宙開発のカギを握ると考えた」「ロケットの世界に革命を起こしたい」、森田教授の夢は尽きない。
- 10/21(水)
- 『 日本刀を鍛える 』
- 刀匠 日本職人名工会殿堂名匠 吉原義人 氏
- 吉原氏作刀現場
100年に一人といわれる名匠。鎌倉期の豪壮な体配に、匂本位の華やかな丁字刃を元から先まで破定なく焼き、地には絶えて久しかった備前伝の最も困難なテーマとされる“映り”の鮮やかな再現は極めて高く評価される。伊勢神宮第60回、61回の式年遷宮の御神宝直刀三振を作刀。米国メトロポリタン美術館及びボストン美術館で買上げられ展示されている唯一人の現代の刀匠。米国にも工房を持ち、国際交流にも情熱を燃す。いい刀は技術だけで出来ない、理想の刀を描く想像力とこれを具現化する技術だという。
- 11/27(金)
- 『世界最高速革新的プラスチック光ファイバー
の開発と、新たなイノベーションの創出 』 - 慶応義塾大学 理工学部物理情報工学科 教授 小池 康博 氏
- 超高速プラスチック
光ファイバー
光学ポリマーは次世代フォトニクス分野には不向きと思われていた時代、私は、高速プラスチック光ファイバーの研究で岐路に立っていた。その答はアインシュタインなどの光と物質の本質まで遡ったところにあった。それから数十年、フォトニクスポリマーが誕生した。私は物事の本質に戻ることの大切さを学んだ。大きな産業の幕開けは、材料の機能がシステムを根こそぎ変えることで生まれた。そこには時代を創ってきた人々の不屈の精神と信念が垣間見られる。ここでは、イノベーションの重要性について述べたい。(小池康博)
- 12/14(月)
- 『ダントツの強みを磨け~企業と国の構造改革~』
- コマツ 相談役 坂根 正弘 氏
1963年、ブルドーザーの設計者として小松製作所に入社。2001年、創立以来初の赤字という厳しい時期に社長に就任するも、構造改革を断行してV字回復を達成。2009年、米ハーバードビジネスレビューでは「在任中に実績をあげたCEOトップ100」において日本人最高位の17位に選ばれた。同氏は「コマツは日本の縮図」であるとして、戦後の歩みとコマツを重ね合わせ、この国は根拠なき自信喪失から脱却し、強みを磨くことに注力すべきだと主張する。「まち・ひと・しごと創生会議」などで、有識者議員として活躍する同氏が、企業と国の改革について問いかける。
- 1/20(水)
- 『世界最高効率ガス複合発電機の開発、GEを制した熾烈な世界競争の経緯』
- 三菱重工業(株) 特別顧問・前代表取締役副社長 福江 一郎 氏
- 501J形ガスタービン
これは、三菱重工業が25年の歳月をかけ、石炭から出るCO2や大気汚染物質の排出量を抑制でき、石油依存度の低減につながる新エネルギー技術として世界の注目を集め、世界で唯一、開発に成功した“世界最高効率を達成した石炭ガス化複合発電機(IGCC)の苦難の開発と事業化、GEとの熾烈な競争に打ち勝った軌跡”。次の時代を牽引する、日本ならではの可能性を考えたい。氏は、このプロジェクト推進を統括した中心。
- 2/9(火)
- 『ゼオンナノテクノロジーの創立と事業構想』
- ゼオンナノテクノロジー(株) 代表取締役社長 荒川 公平 氏
- 産総研に建設された
実証プラント
国プロ事業化の第1号。日本ゼオンが産総研開発のスーパーグロース法を用い、これまで量産困難が通説の単層CNTの事業化に着手。量産工場を立ち上げた。無機材料と無縁だった同社がナノテク最先端のCNTに進出したのは、同社特別経営技監 荒川公平氏の存在。氏は曾て日機装でCNT製造の基本特許取得の中心だった人。その氏に産総研が実用化開発を打診したのが始り。今回はこれ迄に至る経緯と今後の具体的経営の見通しを伺う。
- 3/28(月)
- 『 “魂動 - Soul of Motion - ”スカイアクティブのデザイン開発』
- マツダ(株) 執行役員デザイン本部長 前田 育男 氏
- Mazda MX-5
前回、スカイアクティブの生みの親でその統括プロデューサー 藤原清志氏、前々回にその画期的エンジンの開発リーダー人見光夫氏をお招きしたが、今回は前田育男デザイン本部長をお招きし、スカイアクティブ・デザインへの熱い思いとその軌跡を伺う。氏は、チーフデザイナーとしてRX-8などを手がけ、デザイン本部長としてCX-5などデザインを担当。氏のデザインコンセプト“魂動-Soul of Motin”は、生きているものだけが持つ豊かな表情や力強い生命力を感じられる車。その熱い思いとデザインプロセスを伺う。
- 4/21(木)
- 『 ナノマシンによる未来の医療はすぐそこに 』
- (公財)川崎市産業振興財団 センター長 東京大学大学院 工学系研究科/医学系研究科 教授 片岡一則 氏
氏は昨年、光に反応して目的の遺伝子をガンへ届ける光応答性ナノマシンの構築に成功。「私達はナノテクを駆使し、薬を必要箇所に、必要な時、必要量を機能させるシステム研究を行っている。これは全身の血流を巡る薬を目標部位の目的細胞のみに集積、機能させることで、私の高校時代、NASAが人類を月に送り込むことに成功し、その時の興奮を私は今でも鮮明に憶えている。人体という小宇宙の中で、数々のハードルを乗り越え、目的の細胞まで薬を届ける「ナノマシン」、この人体へのアポロ計画の取り組みをお話ししたい。」