明日の指針を求め合う、産業・分野横断的な感動的出会いの機会と場となることを願って

代表 松尾 隆

  今年2019年5月1日、日本は元号を “令和” と改め、新たな時代への扉を開きました。


  時代は今 AI と IoT が一体となって進むデジタル革新への拍車がかかり、加えて生命科学、脳科学、量子科学技術など、今日の科学技術本流は画期的変化の時を迎えて、時代は正にチャンスと危機が同居する大転換の時を迎えています。かかる科学技術の変革の中で、産業はもちろん、社会システム自体が今根本的なイノベーションを求められ、われわれは今、今後への確固とした指針を求められています。

  しかも、今日の世界の政局と経済は、混迷と大変難しい状況へ進行しているように思えます。


  このような今日、今われわれが求められているのは果敢な先取の精神と行動であることは論を待ちません。しかし同時に、今われわれが成そうとしているのは何なのか、一度原点と本質に立ち返って考える、この姿勢が極めて重要だと思うのです。時代の潮流に取り残されることを恐れ、ただ追随、翻弄されているといつか自らを見失い、道に迷ってしまうことになりかねない。過去にこのような例は枚挙にいとまがありません。


  ご案内の通り、弊会は1982年、前東京大学教授 宇宙航空研究所長 故糸川英夫氏、ソニー㈱ 名誉会長 故井深大氏、京都大学 名誉教授 国立民族学博物館館長 故梅棹忠夫氏、IBMワトソン研究所 フェロー 江崎玲於奈氏、世界初電子式TV・世界初電子映像表示装置の発明者 日本ビクター㈱ 技術最高顧問 故高柳健次郎氏などの強力なご支援の下、ソニー㈱ 参与 前常務取締役 厚木工場長 故小林茂氏、日本IBM㈱ 社長 椎名武雄氏、松下電器産業㈱ 顧問 故高橋荒太朗氏、わが国電子顕微鏡の草分け 元㈱日立製作所 理事 技師長 故只野文哉氏、本田技研工業㈱ 創業期メンバー 二代目副社長 西田通弘氏、当時若年の松尾隆などが代表発起人となり、別紙の通り、シャープ㈱ 専務取締役 浅田篤氏、東レ㈱ 社長 故伊藤昌壽氏、日本電気㈱ 専務取締役 故植之原道行氏、キヤノン㈱ 最高顧問 故鈴川溥氏、富士写真フイルム㈱ 専務取締役 故竹中治氏、飛島建設㈱ 専務取締役 飛島章氏、サントリー㈱ 常務取締役 故西門溜氏、㈱資生堂 専務取締役 光井武夫氏、㈱野村総合研究所 産業技術研究室長 森谷正宏氏など、当時25名の世代を超えた同士が相語り合い、急変する企業環境の下で各企業がそれぞれの特徴を発揮し、明日の飛躍と安定、また世界に飛躍していくための日本独自の指針を求めていくため、産業横断的な交流と相互研鑽の機会と場の必要を痛感して発足させた同志会です。


  お陰様で弊会は今年11月、発足38年目に入らせていただき、今日では各企業の経営トップ・技術系幹部の方々にとどまらず、大学や国の研究機関などで先端技術開発に携わっておられる方々や現代の匠と呼ばれる方々、建築家、文化人など、広い分野の方々が産業と分野の枠を取り払って交流し、相互研鑽し合っています。

 

  この間にいただきました皆様のご支援に、改めて衷心より厚く御礼申し上げる次第です。


  企業の命とは、企業規模の大小、ビジネスの如何に関わらず、それはこの企業をかく在らしめたいと願うトップの強烈な思いと夢、精神、そして誇りであると確信しています。

   技術、製品、企業文化というものも、この企業とそこに携わる人々の夢と思い、精神と美意識、誇りの結晶に他ならない。


  そしてこのグローバル化の時代、われわれの核となるものは、それぞれの民族と文化がそれぞれの風土と歴史の中で培い、今われわれの内に在る、この世界観と価値観、美意識と感覚をおいてない。技術はそれ自体、人類に優れた恩恵をもたらす普遍的発見・工夫、共通の財産でありますが、その実態は、活用の現場、いやそれ以前にその技術が生み出された背景は、現代最先端の科学技術といえども、この固有の文化、即ちその固有の世界観、価値観、美意識と決して無縁なものではない、と思うのです。科学といえども、私はそのような多様な文化的所産の中の一つの優れた思考体系かも知れない、と思っています。


  今、われわれに何より求められているのは「夢」と「誇り」、「今成そうとしているのは何なのか、原点と本質に立ち返って考える姿勢」、そして「大自然と自然の営み、命に対する畏敬の念の回復」、この4つだと思っています。


  この未曾有の時代環境激変の今日、私たちは産業や分野など既存の枠を取り払い、今日の各々のビジョンと挑戦的試みを交流し、感動的出会いを開きたい。その感動的出会いが既成の通念を打ち破って明日の指針を開く機会となり、希望と勇気を拓き、交友範囲の拡大、ひいては幹部に不可欠な本質を求める姿勢を涵養、確立する掛け替えのない機会と場になる、と確信する次第です。


  本会が今すぐ役立つ情報が得られる場というよりは、心の奥深くに沈み、いつか核心的啓示となって甦ってくる、そのような深い出会いを生み、そして真の心の知己が得られる、そのような掛け替えのない機会と場となることを願ってやみません。


 皆様のご参加を、関係者一同、衷心より祈念いたす次第です。

新経営研究会 代 表  松尾 隆

 

 

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