2021年9月16日(木)

会場・オンライン併催

APB(株)代表取締役 慶應義塾大学 特任教授 堀江 英明 氏

『世界初 次世代定置型"全樹脂リチウムイオン電池"の概念とその実用化』

堀江 英明 氏

 〈略歴〉
1957年生まれ。1985年、東京大学大学院理学系修士。
同年、日産自動車入社。EV/HEV用高性能2次電池の研究開発に従事。
2007年10月~10年3月 東京大学人工物工学研究センター准教授。
その後、日産自動車 再入社.全樹脂Liイオン二次電池の開発に従事。
11年1月~16年1月 東大生産技術研究所特任教授として大型定置用電池システムの研究に従事。
15年4月~ 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授。
2018年3月 日産自動車退社。
          2018年10月 APB設立.代表取締役 就任。
新発想の全樹脂(オールポリマー)Liイオン電池を生み、実用化したのが現在APB 代表取締役CEO 堀江英明氏。
氏はLiイオン電池の車載用への可能性を世界でいち早く見抜き、その初の挑戦者となった方。

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 「イノベーションフォーラム」2021年度前期第2回は、『世界初 次世代定置型"全樹脂リチウムイオン電池"の概念とその実用化』と題して、堀江英明氏をお招きご講演いただきます。

 リチウムイオン電池の製法は、その構築の大功労者 ソニーによって開発されて以来変っていず、その複雑な製造工程や発火などの課題に対してもこれまで抜本的な解決策がなされないままに今日に至っていた。この度、初めて「あるべきLiイオン電池」の姿がその製造方法と共に堀江英明氏によって構成部材自体から見直され、バイポーラという集電体に対して垂直に電流が流れる構造とオールポリマーという基本部材の見直しを通して、高品質のLiイオン電池が実現し、異常時における高い信頼性、高エネルギー密度、形状・サイズのフレキシビリティ、革新的な生産プロセスといった性能・特徴を全て同時に実現したという。

世界初 次世代定置型全樹脂LIB生産工場

 氏が狙うのは、電力用定置用型リチウムイオン電池という、電気自動車用よりも更に大きな新市場である。

 LIB(Liイオン電池)は殆ど究極に近い電池で、今後数十年どころか暫く使われ続けていく電池だ、と堀江英明氏は言う。

 自動車がEVになるということは、産業革命を推進してきたエネルギーが内燃機関から電気に代わるということで、その本丸は当然基幹電力である。車にハイブリッドがあるなら、基幹電力にハイブリッドがあってもいいではないか。車をハイブリッド化することでエネルギー効率がほぼ2倍になったが、車よりも効率の悪い基幹電力でハイブリッド化を進めれば容易に2倍、3倍の効率が達成出来るだろう。年間600兆~700兆円を費やすエネルギー産業が2~3倍の効率で動かせるなら、これは大変なマジックだと堀江氏は思い、そこで、車載用Liイオン電池に引き続き、定置用Liイオン電池の開発に取り組むことを決意したのだそうである

 しかも、世界の電力コストというのは、先進国でも発展途上国でも、発電所に大体10%、送配電に90%の資金が使われている。つまり、電力会社というものの実態は送配電会社。しかもこの送配電網は発電所から送電されて来るピークパワーのために設計されていて、実際にはその20~30%位しか使われていない。

 ここに、例えば都市部の地下に大規模電池を置いて火力発電を稼働し、自然エネルギーの変動分を電池で吸収すれば、送配電網も含めて全体の効率が良くなり、経済合理性も出る筈だ。それを8時間程度の長周期で電気を出し入れ出来る電池と考えると定置用電池が最も良い。急激な充放電はしないので、温度も大きく上がらない。しかし電池は大容量になるので、安全かつ安価につくれる必要がある。こう考えて生まれたのが定置型全樹脂Liイオン電池だったということだ。

 全樹脂電池の最大の長所は、異常時の信頼性が非常に高いこと。異常事態が発生しても最高温度100℃にならない。ところが従来のLIBは、異常時にはエネルギー放出が起きてしまうと600~700℃にまで昇温してしまう。LIBの出現によってエネルギー密度が10倍ぐらい上がったが、このエネルギーを従来の電池構造の中に入れておくのは大変厳しいことになってきた。氏は、ここには大きな矛盾が生じていると考えた。

 何が一番の課題だったかというと、金属電極。異常時、本来正極と負極は触れては困るのに触れてショートし、大きなエネルギーを放出してしまう。実際、正極と負極の間はセパレーターという薄いポリマーの膜だけで10μ~30μm程度の隙間で隔たっている。例えば100万個に1個という低い不具合率だとしても、出荷される電池の数が多いので、事故が起きてしまう。つまり、電池の中にバルクの金属がある限り、短絡時に金属部材を通して大電流が流れ、急激な内部発熱をする可能性がある、というのが今のLiイオン電池最大の問題であることはよく指摘されるところです。

 ではどうするか。樹脂なら抵抗が大きいので短絡しても大電流は流れない。電流値の2乗で発熱するジュール発熱を小さく出来るからである。中に金属バルクのパーツがないので、どんなことをしても大電流が流れなくなった。「集電材=金属」、という固定概念を打ち破ったところに堀江氏は最大のブレークスルーがあったという。

 全樹脂電池のもう1つ長所は製造の容易さです。すべての電池の構造は正極材料、負極材料、その間にセパレーター、さらに集電体、この4つ。堀江氏の開発になるオールポリマーLiイオン電池というのは、電池の構成部材が全てポリマーで構成されていることです。この電池の構造を今以上に簡単にすることは、今後100年、1000年経っても不可能だろう。しかも、この電池を水平に置き、その断面を見ると、上と下は樹脂の集電体です。これを座布団を重ねるように重ねていくと、正極と負極がぴったりと合うので、組電池を容易に作れます。

 現在、福井県越前市武生で世界初 次世代定置型全樹脂LIB生産工場を立ち上げ、実生産に向けて進行中。
 今回は、その堀江氏ご自身の夢とご苦闘を通して、世界初のオールポリマーLIイオン電池の開発と事業化に至る夢とご苦闘、今後へのご抱負を伺いたいと願っています。

 氏が目指しているのは定置型電池のフランチャイズ、そしてAPB社の目標は電池メーカーになることで、他社に技術やレシピを売ったりすることは考えていない、と仰っておられます。

 氏の夢とご苦闘を通して、今後の私たちの技術開発、日本の製造業の在り方を考え合いたいと願っています。

 (日経エレクトロニクス、2021年1月号参考)

 万障お繰り合わせの上、皆様の積極的なご参加を願ってやみません。

日程

【日 時】 2021年9月16日(木)13:30-17:00 
【会 場】 国際文化会館 別館1階 セミナーD室
      東京都港区六本木5-11-16
      電話:03-3470-4611
【テーマ】『世界初 次世代定置型
      "全樹脂リチウムイオン電池"の概念とその実用化』
【講 師】 APB(株)代表取締役
      慶應義塾大学 特任教授
      堀江 英明 氏
【チェアマン】
      (有)入交昭一郎 代表
      元本田技研工業(株) 代表取締役副社長
      元 (株)セガ・エンタープライゼス
      代表取締役社長・会長
      入交昭一郎氏
【締 切】 9月10日(木)
【事務局】 新経営研究会 担当:田中
      東京都千代田区麹町1-6-9 DIK麹町804
      TEL: 03(3265)4341

スケジュール

  • 13:30-13:35 ご挨拶
  • 13:35-14:00 自己紹介
  • 14:00-15:00 ご講演(前段)
  • 15:00-15:15 休憩
  • 15:15-16:15 ご講演(後段)
  • 16:15-17:00 Q&A
     
MEMO


会 場

国際文化会館 東京都港区六本木5-11-16
・都営大江戸線 「麻布十番駅」7番出口より徒歩5分 (上り急勾配あり)
・東京メトロ南北線 「麻布十番駅」4番出口より徒歩8分 (上り急勾配あり)
・東京メトロ日比谷線「六本木駅」 3番出口より徒歩10分


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